第8章 船出の時
「あの、ローさん。わたし店を出るときに聞きました。
あんな大金を…」
の中でどうしても確認しておきたい事があった
自分に何故ローはここまでするのか
「俺の金だ。俺の好きに使う。」
しかしローの返事は素っ気なくやはり淡々としていて読み取れない
まさか、あの店主の様に自分の身体でお金儲けをするため…
「………」
の不安がる表情を察したのかローがもう一度口を開く
「お前の身体は俺以外誰も触れる事はねェ。
ふざけた考えはやめろ。」
思わずローを見上げる
すると意地悪く笑うローと目が合った
不思議な人
はローを見て思う
強引で自分勝手、なのに何故か憎めない
「……俺、以外?」
しかし先程のローの言葉にハッとした
そんなにローはククっと笑う
「あぁ。俺じゃねェと感じないカラダにしてやるよ。」
「…………っ!」
なんて妖艶な顔…
はローの言葉、ローの放つ色気に身体の中心部がゾクリとした
言葉だけでこんな気持ちにされたのは初めての事
「そんな身構えんな。」
「み、身構えてなんて居ません!
それにわたし…あなたのモノじゃないです。
お金は必ずお返ししますし、、」
ローから身体を離す
「クク、好きにしろ。
俺から離れたくなればそうすればいい。」
ローの言葉に自分の心が見透かされているように思えた
ローを利用してこっそり逃げ出す、などと考えていた自分がちっぽけで情けない
この人はわたしをどうしたいのだろう