第7章 途切れた記憶
海岸を泣きながら歩く幼い頃の自分
行く当てもない、もちろん側に誰もいない
何故ここを歩いているのかさえわからない
その時拾ってくれたのが今働くここの店の店主だった
子供の頃は主に雑用を任され、17歳になる頃この仕事を始める事になった
子供の頃からここにいたせいか仕事の内容にはなんの抵抗もなかった
これが普通で当たり前だと教えられて育ったから…
働き始めるとお客からは
若いのに身体を売るなんて両親はさぞ悲しい事だろう
それともなんだ、貧乏でお前が借金の肩代わりでもやってるのか?
そんな事ばかり言われた
両親…
そういえば両親の記憶が無い
その時から両親の事や幼い頃の記憶を想うと妙に背中が痛み、ジンジンと疼くようになった
ーはまだ知らない
自分の背負う悲しい運命を
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