第2章 命の価値
あの出会いから5日
エースは毎日に会いに店に来た
もちろんただ時間の限り話すだけ…
「よ!元気してたか?」
「ふふ、毎日来てくれるくせに。
とっても元気ですよ。」
すっかり打ち解けたような間柄の二人
「どこまで話したっけなぁー」
「たしか夏島で暑過ぎて海に入ったら溺れてしまったという所です。」
「あぁーそうだった!俺はカナヅチだからな。なのに外があまりにも暑過ぎて思わず海に入っちまった。
そこをたまたま通りかかった漁師に網で引き上げてもらって助かったんだ!
…それでよ、船で……」
「…………………」
笑いが絶えない唯一のひと時
こんなに笑った事は今まであっただろうか
こんなにもホッとする時間が今まであっただろうか…
目の前の彼は自分の身体を目当てにせずただ話しをするために会いに来てくれる
自分にただ会いに来てくれる
は小さな幸せを噛み締めるようにぎゅっとグラスを握った
だが、心の何処かで解っていたのかも知れない
この幸せは永遠ではないと…
「………」
エースは少し黙り、そして何か決意をしたように口を開いく
「実はな、この後俺は島を出る。」
「え?」
突然の言葉には驚いて顔を上げるとエースは少し困ったような笑みを見せた
「本当は2日前に出るつもりだった、この島のログは3日で溜まるからな。
でもに出会って…
もう少し話したくて、顔が見たくて気付いたらこの島に来て今日で5日だ。」
「………」
「しばらく会えねぇが元気でいろよ?」
エースは笑顔を作ると明るい口調で言った
しかしは言葉が出ない
やっと出来た小さな幸せ…
何も知らない自分に沢山の事を教えてくれた人との別れ
の瞳からは静かに涙が流れた
「……ッ!
おい、何も泣くことねぇだろ。」
「ゴメン、なさい…
少し驚いてしまって、、、
わかってます。あなたは…海賊さんですものね。」
必死に涙を拭う
笑顔を作ろうと何度も涙を拭うが溢れ出て止まらない
エースはそんなをきつく抱き締めた