第2章 第1話
壮馬side
今日、誕生日……?
「俺も今日誕生日だよ!」
びっくりしすぎて、大きい声が出てしまった
「俺、今日で26なんだ
…優愛さんは……?」
『私は、今日で19です。
…でも、壮馬さんって26だったんですね。
もう少し若いのかと…』
7つも離れてる…!
と、落胆する
…なんでガッカリしてんだ、俺
『お誕生日おめでとうございます』
「ありがとう
…優愛さんも、おめでとう」
すると、彼女の瞳が揺らいだ気がした。
今にも泣きそうな雰囲気で、俺は優愛さんに声をかけようとした。
『今日は本当にありがとうございました。
これからも頑張ってくださいね。』
「あ、うん…。ありがとう…」
優愛さんが、前を向く。
本当に、このまま帰してもいいのか
「…何度も引き止めて悪いんだけど、」
気がついた時には彼女の手を握って、言っていた
「優愛さんを、助けたい」
気がつけば、そう言っていた。
俺の目を見る彼女の顔は、
ずっと笑顔だったのが消え、
目からは、一粒の涙を流していた。
どき……
と、胸が高鳴っているのを覚えている。