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透明な声に、色彩を

第2章 第1話




「いや、斉藤さんだと、違う方思い出しちゃうから、壮馬でいいよ…っ」


くすくす、と口を手で隠しながら笑う壮馬さんを見て、
私もつられて口に手をつけて笑ってしまう。
もちろん、声は出ないけど




そんな私を見て、壮馬さんは何やらびっくりしているようだった


不思議に思って、首をかしげると、



「なんか、今までの笑い方と違うな、って思って…」



あ……

そういえば、私今、普通に笑ってた…?


「あっ、ごめんね、変なこと言っちゃって…!」


大丈夫ですよ、と首を横に振る



『やっぱり、声優さんと言うだけあって、声がとても綺麗ですね。
私、壮馬さんの声、好きです。』




メモ帳に書いたこの文を読んで、壮馬さんはまったく動かなくなってしまった。


「……?」



「いや、なんか、凄く…嬉しくて」


壮馬さんを見ると、頬が少し赤くなっている気がする。
心なしか、目も少し潤んでいるような…



花粉症…なのかな?



花粉症だったら、長い時間外にはいない方がいいと思い、
名残惜しいと思いながらも、さらさらとメモ帳に書き出す


『では、私は帰りますね。
…今日は特別な日だったんです。
そんな日に壮馬さんに会えて、もっと特別な日になりました。』



「特別な日……?」








『4月22日……
今日、私の誕生日だったんです。』









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