第4章 最終章
「ーじゃあ、今日はさっき言った時間に帰れるようにするから!」
「うん、じゃあいってらしゃい!」
優愛の柔らかな笑顔でやる気をもらって
「いってきます」と外へ出た。
『あの日』から3年が経った。
その間、優愛との思い出がたくさん増えた。
2人の想いが通じ合った半年後には、同棲をし始めた。
2人で1泊2日の箱根旅行にも行ったし、
夢の国に遊びに行ったりもした。
たまに喧嘩とかもしたけど、いつも謝るタイミングは一緒で。
その度に2人で笑って仲直りしていた。
ー今日は、『あの日』から3年目。
もっと具体的に言えば、優愛と出会ってから3年目だ。
そして今日は、3度目の、2人で祝う2人の誕生日。
アニメの収録やゲームの収録を終えた俺は、ドキドキした気持ちで目的の店に行き、優愛に伝えた時刻ちょうどに自分の家へと帰った。
中に入ると、まずいい香りが漂ってきた。
そして、ぱたぱたとエプロンをした優愛が「おかえり」と玄関まで来てくれた。
「ただいま」と言って一緒に居間へと入って行った。