第3章 第2話
ーどうやら、某動画サイトにあげるゲーム実況をしているらしい。
……ほんとに、なんで私ここにいるんだろ…
わいわい盛り上がっている2人の後ろで、1人ぽつんと座っている私。
動画で見ると面白いんだろうけど、2人の後ろ姿しか見えない私は全然面白くない。
2人とも、まるで私がいないかのように……
ずきん
(…痛い。)
1人は、慣れているはずなのに。
おかしいな。
「……っ」
あぁ。
私ってなんてめんどくさいんだろう。
今まで1人でも全然大丈夫だったのに。
最近、人と接してたせいかな。
…ちがう。違うでしょう?
目の前に好きな人がいるのに、
構ってもらえてないからでしょう?
…私たちは、恋人同士じゃない。
だからこんなこと思ってしまうのは本当にめんどくさい女だからだ。
じわり、涙が滲む。
あぁ、やだやだ。
こんな自分、
大っ嫌いー…
「優愛!!」
「っ!!」
愛しい声に、暗闇から引き戻される。
そして、体育座りで膝に埋めていた顔をゆっくりあげる。
そこには、焦ったような、戸惑っているような顔をした壮馬くんがいた。