• テキストサイズ

透明な声に、色彩を

第2章 第1話


ーー今日でもう、19歳かぁ……

長いようで、短かったな



桜並木の下で、いつものように
J-POPを聴きながら
ゆっくり、ゆっくりと歩いていた。


暖かい風は、まるで私のことを包んでいるようだ

まるで、弱音を吐きなさい、とでも言っているかのように


辺りを美しく色取る桜の花びらは、私をどこかへ導くように

ひらひら、はらはら…と、優しく舞っていく



この優しい雰囲気を忘れないように、
いつものようにメモ帳に
絵やら感じ取ったことやらを書こうとして、小さなバッグの中に手を入れて探す


「………?」


………ない

「………⁉︎」
嘘っ…あれがないと……!


軽くパニックを起こしていると、「あの…」と
声をかけられた


「……」


優しく、透き通った、落ち着いた声が、
私の頭の中に響いた



「これを…探してますか…?」



/ 49ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp