第2章 第1話
ーこれが、恋ー
認めてしまってから、どうにも新しい絵を描く時に恋をテーマにしてしまう。
…そして、普段は思わないことも思ってしまうようになる
「……(…はやく、授業終わらないかなぁ)」
会いたい。
…会いたい。
私が取ってる授業はこれで最後。
終わったらすぐに駆け出して壮馬さんに……
「……っ!!」
恋人でもないのに、何を言っているんだか、と
すぐに冷静になる。
こうやってすぐ諦めてしまうから、声だけでなく、気持ちも透明になっていく
私の心は何色?
色なんてつけていいの?
私の心に真っ白なキャンパスなんてあるの?
あの頃から、もうずっと考えていること。
自分の心理がわからなくて、藻掻く。
息苦しい、助けて欲しい
…助けて、欲しい……?
…わたし
助けて、欲しかったんだ
あの頃からずっと動けずにいる私を、
誰かに…
救い出して欲しかった
連れ出して、欲しかった
そして、昨日のことを思い出す
ーー「俺を、頼ってほしい」