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透明な声に、色彩を

第2章 第1話


壮馬side


「ーー……ん〜」

目を開けると、辺りは暗かった
スマホで時間を見ると、夜中の2時ちょっと過ぎくらいだった
もう一度寝ようと、顔を伏せた

「…そーいえば、どーやってここまできたんだっけ……てか、なんでパジャマじゃないんだ……?」

必死に思い出そうとするも、二日酔いのせいで頭が痛く、思い出せない

とりあえず起きよう、と寝室を出た

先ほどまでずっと暗いところにいたせいか、明るいところに出ると眼が痛い


「みんな寝てるし。……⁉︎」

俺が注目したのは俺のお気に入りのソファだ

そこには梅ちゃんが座ったまま寝ていて、その梅ちゃんの肩に優愛さんは頭を乗せて寝ている


……いつからそんな仲に?

きりきりと胸が痛む


このままではダメだと思い、俺は気を紛らわす為に食器を洗うことにした


ただただ、無心で洗う

「あ、明日は…てか今日か。今日は午前からだっけ」

1人でぶつぶつと今日の仕事の予定を言う。
寂しいな、俺。

洗い終わった食器を拭こうと、濡れた食器に手を伸ばす

「…ん?」

…濡れてない

驚いて食器の方を見やると、優愛さんがいつの間にか起きていて、食器を拭いていた


俺が優愛さんに気づいたことを知ったのか、
俺の目を見て、ふわりと微笑んだ


「…っあ、…あり、がとう」

ドキンドキンとせわしなく動く心臓

優愛さんは「大丈夫ですよ」とでも言っているかのように淡々と仕事をこなしている

「……」


触りたい


唐突にそう思った




彼女の頭をいつの間にか優しく撫でていた


彼女は顔を真っ赤にして俺をみた

…そんな顔をされたら期待してしまう


「…手、止まってるよ?」

俺は自分のことを意地が悪いなと思いながらそう言った

そして、焦って食器をまた拭きだした



可愛いなーと、ずっと頭を撫でる











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