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透明な声に、色彩を

第2章 第1話


「えっ、まだ19歳ぃ⁉︎」

こくこく、と首を縦に振った
江口さんはまだ私を見てびっくりしている
どうしたのかと首を傾げた

「…いや、19歳とは思えないほどの……なあ、梅ちゃん?」
「えっ、そこ俺にふりますか……まぁ、大人びていますよね」
「梅ちゃーん、俺たちはそんな言葉じゃなくてさぁー…なんで梅ちゃんに振ったかわかるか?俺にはわかるぞぉ、優愛ちゃんはえr」
「なっちゃーん?」
花江さんは大分酔っているのか、呂律があまりまわっていなく、少しとろーんとした声で言っていた。が、最後の方は壮馬さんに遮られてしまって聞こえなかった

「じょぉーだんだってぇー!大人の色気ってやつだよなぁー?梅ちゃん」
「あはは、そうですね」
「ったく、なっちゃんは……あ、ケーキは?食べないの?」
ふと思いついたように壮馬さんがみんなに聞いた

「あー、あれは壮馬にプレゼントだから、優愛ちゃんと食べなー」

お酒をぐびっと飲む江口さんの喉仏が上下に動いているのを見てしまい、なんだかいけない気持ちになり目を逸らした。

(…男の人の喉仏、なんか……)


ちら、と壮馬さんの喉仏を見てしまった

「あ、そうなんですか!ありがとうございますー!」
そう笑いながら言ってから、お酒を流し込んだ

ごくっ…という音と同時に喉仏が上下にゆっくり動く。

「………っ」

うわぁ、壮馬さんの飲み方、なんか……江口さんと違って……

そこまで考えていたら、壮馬さんと目があってしまった

「………っ!!」

酔っているのか、目が少し熱っぽく、とろーんとしている
そんな壮馬さんを見たら、一気に心拍数が上がった
顔が、熱い……


「ふふっ、なぁーにー?」

柔らかく微笑んでいるつもりなのだろうけど、お酒のせいでその笑い方はとても色っぽいものになっている

「優愛さん、ほんとかわいーねぇー」

ほわほわとした口調でだんだんと私に近づいてくる

「………〜っ」

ぶんぶんと首を横に振る
が、壮馬さんは気にせずにどんどんと近寄ってくる

救いを求めようと向かいの江口さんと梅原さんを見ると、2人で楽しそうにしゃべっていた

花江さんはというと、爆睡していた

う、うそっ…

視線を前に戻すと、鼻がくっつきそうなほど近くなっていた








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