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透明な声に、色彩を

第2章 第1話


壮馬side



「……優愛さん?」

突然黙り込んでしまった優愛さんを不思議に思い、顔を覗き見た。

すると、俺の目を見つめた。
どきり、と音をたてる

彼女の瞳は濡れていた
なぜ泣きそうになっているのか…それは

「…………」

口を動かし、そう言った
そのあと、優しい、優しい微笑みをした

なぜだか自分も泣きたくなった

「……優愛さん」

そのとき自分はなんと言おうとしたのか考えないまま彼女の名前を呼んだ
すると、ちょうど俺を呼ぶ声が聞こえた
俺は誤魔化すようにして彼女の暖かい手をとり、みんなのいるところへと連れて行った









彼女がなぜ泣きそうになっているのか





………それは、












『あ、り、が、と、う』











彼女にとってこれほど暖かく自分を受け入れてくれた人たちがこれまでにいなかったから、
彼女が自分の声に対する希望を持ち始めたからだと俺は考えた





今日出会ったばかりの彼女

こんなことは初めてだった
















ーーー『ひとめぼれ』









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