第24章 だから~体術嫌いって言ったじゃぁぁぁん!
小夜「理奈っ!」
小夜は気付かなかったのか理奈を見付けると視線を下へとさげる。
理奈「おいでおいで!」
にこりと笑い小夜に手招きする。
小夜「じゃっ、・・じゃぁ。」
恐る恐る理奈へと近付く。隣に座り体を洗い始める。
が、緊張しているようだ。
理奈「んな、捕って喰わんよ。」
苦笑いする。
小夜「・・・。理奈の守護霊、12人も居たわ。仙人よ?あと、体の中に悪霊らしきものも。」
理奈「・・・妲己だねぇ。」
ため息を吐く理奈におずおずと聞く。
小夜「どうして平気なの?私より大きな呪力なのよ?しかも、私も途中で気を失っちゃったし・・・小兄様も全然教えてくださらないし・・・。一体何があったの?」
不安そうな顔でこちらを見る。
理奈「それがだね。うちも記憶がないから分からん。うちも気ぃ失ってたっぽい。」
あははと誤魔化すように話す理奈に残念そうに。
小夜「・・そう。」
淋しそうに呟くように返事を返す。
それを見てため息を吐くと
理奈「あのおっさん達が妲己を体に封印してるからさ、うちの呪力も一緒に使っちゃうんだと。だから無いのと一緒。」
二人で並んで風呂に入る。
理奈「ところでタトゥーすげぇ入ってんね。うちの師匠も凄かったけどさ、小夜ちゃんもなかなか。」
小夜「・・・これは呪力を抑えるための物なの。・・・呪力が強すぎるせいで長く生きられないのよ。だから理奈の事知りたかったのに。」
理奈「それはすまんね。うちも強制的に生かされている身分なもんで、よく知らんのよ。・・・早死にと不老不死か・・・。」
ため息を軽く吐くと小夜の頭を抱き寄せる。
理奈「どっちも辛いな・・・。」
空を仰げば満月が二人を見下ろしていた。