第23章 酒は呑んでも呑まれるな!
理奈と視線を合わせじっと見つめながら伝えると行ってしまった。
峯治「すまんな。なにぶん恵治は女性に弱くて。気にせんでくれ。」
そう言うと行ってしまった。
士門「悪かったな。その・・恵治様はどちらかと言うと色好みされるお方なもんでな。悪い方ではないのだが。・・・俺の部屋に着いたら暫く寛いでいてくれ。峯治様にご報告してくる。」
長い廊下を渡り、障子戸を開けばこれまた広い部屋に通される。
物は少ないが私物らしき物が整頓して置いてある。
理奈「くたびった。」
畳に滑り込み寝転がる。
少しすると
「失礼するよ。」
声がして顔だけ入り口に向ける。
スルリと開いた戸から入ってきたのは御盆を持った恵治だった。
恵治「冷たい飲み物を持ってきたよ。・・・あ~。おしい。もうちょっと。」
ミニのワンピースからはギリギリ下着が見えそうで見えない。
理奈「?どぉもっス。?」
ゆっくりと起き上がると恵治の残念そうな声がする。
恵治「・・・まぁ。良いか。・・弟なら今父さんと話をしているからもう少しかかるよ。父さんは話長いからね。」
理奈「そぅなんですか。」
恵治「ため口で良いよ。息が詰まる。」
苦笑いして続ける。
恵治「ここに来るまで走らせられただろう?弟はどうも修行熱心な子だからね。」
ジュースを理奈に渡す。
理奈「確かに。喉乾いてたから助かりますわ。」
ごくごくとジュースを飲み干す。
その様子を恵治は嬉しそうに見守り談笑をする。
恵治「そう言えば理奈は何故こんな島に来たんだい?観光でもないだろう?」
理奈(・・素性はばらすな。か。)
理奈「いや。観光。あっちで士門に会ったら連れてっ
てくれるって。」
恵治「・・ふぅん。観光・・ねぇ。」
恵治の目がキラリと光る。
恵治「可愛い弟の友人だ。あまり詮索はしたくないんだよね。・・・でも付き合ってる訳でもなければ、君が弟に恋愛としての感情もあるように見えない。」
理奈の頬を撫でる。