第4章 やっぱり逃げ切れませぬ。
理奈「・・・ん。」
目を擦りながら起きあがる。
真っ白の部屋に窓がぽつりとあり、中央にベッド。椅子が1脚。病院だろうか?
理奈「病院・・・?」
ぽつりと呟くと。
士門「・・・ここは陰陽連支部だ。・・・漸く目が覚めたか?」
椅子に足を組んで座っていた士門が立ち上がる。
理奈「あー、天使君。・・・ちゅうことは結局捕まった的な感じか。」
頭の後ろに手を回しもう一度横になる。
士門「天使?変な言い回しは止めろ。」
理奈「だって名前知らないもん。」
天井をぼーっと見つめながら言い返す。
士門「俺は斑鳩士門だ。・・・変な名前で呼ばないでくれ。・・また逃げるなよ?」
まぁ、無理だと思うがな。と付け加え外へと出ていった。
ちらりと周りに目をやり、手を横に出すとすぐに手がぶつかる。起き上がり確認すると、どうやらベッドには透明で四角い壁が分厚く覆っているようだ。
理奈「やっぱりなぁ~。」
そう言い項垂れる。服以外全て取り除かれていた。
理奈「・・・寝よ。」
もそもそと布団を被る。
ーと
有馬「グッモーニンッ!!」
バタバタと部屋へと入ってくる。
理奈「はいはぁい。もーにんもーにん。」
有馬「そんな面倒くさがらないでよ~。」
苦笑いをする。
理奈「・・・で?なんで連れ戻した訳さ?天井の事は謝るけど危害は加えてないし皆を敵に回す気はないの!それとも・・・大事なペットやっつけちゃった?」
有馬「僕が聞きたいのはそんなことじゃないさ~僕が聞きたいのは禍野でのこと。君が浄化したのか?土地を。」
声に真剣さが増す。
理奈「あそこ禍野ってとこなんだ・・・そうだよ?だって襲われたくないし。浄化すれば一定期間は光が消えるまで入れないよ」
有馬「何故言い切れる?」
理奈「前もモンスターって似た生き物とずっと闘ってたし、似たような感じだったしね。」
有馬「・・・もう一度聞くが、君は何者だい?何の目的があってここに来たんだ?」
理奈「あ~も~!質問が多いなぁ。・・・うちは召喚士・・・だった!」
有馬「?」
理奈「そう。・・・召喚士だったのよ。詳しくは見習いね。召喚士の師匠に拾われて、これでも優等生してたのよ。召還獣やガードと共に旅をし、究極召喚をし、シンと闘い死ぬ。それが教え。」
壁の下方面を見つめ話す。