第23章 酒は呑んでも呑まれるな!
士門「今日は俺の家だ。ほら。それほど遠くないし走って行くぞ。」
それを聞いた理奈は勘九郎にぎゅっと抱きつく。
理奈「勘九郎~!なんかしごかれそうだよ~!!折檻やぁ!」
勘九郎にしがみつく。
士門「こら!離れろ!」
理奈の体を引っ張る。
理奈「だって!走るの嫌やぁ。」
勘九郎「理奈。士門におんぶしてもらえば良いんじゃないっスかね?」
士門「なっ!?」
理奈「んじゃ楽!」
パッと手を離し、
理奈「士門置いてくよ~?」
先にラウンジへと向かえば士門と勘九郎の二人になる。
士門「貴方にしては物分かりが良い。」
勘九郎「・・有馬様の逆鱗に触れてお目付け役を外されたくないだけっスよ。」
ポケットに手を突っ込む。
士門「理奈の事・・・。俺も諦めませんから。」
勘九郎「へぇ。君もっスか。・・どうやらライバルは多い様っスね。ただ、これだけ懐いているのを引き離すのは難しいんじゃないっスか?」
士門「体力面での向上は俺が任されました。挽回します。・・・では。」
頭を下げると理奈の元へと走って行った。
それを見送るとがしゃがしゃと頭を掻きイライラを抑える。
ため息を付くと自宅へ戻る為準備を整え始めた。
理奈「遅い~!!」
ラウンジで待っていた理奈が士門を見付けると頬を膨らませた。
士門「悪かったな。」
理奈に微笑みかける。
理奈「じゃっ!よろしくっ!」
手を拡げるが
士門「甘えるな。」
スッと通り過ぎ外へと出てしまった。
理奈「楽出来ないじゃん!!」
士門「体力面の向上係は俺だからな。」
理奈「なんだそれ?」
士門「今日連絡がきた。」
理奈も仕方なく外へと出て二人で歩き出す。
士門「学業は新さん。呪力の基礎は清弦さん。戦闘応用は天馬。結界術は憲剛さん。監視・サポートは勘九郎さんが担当する。」
理奈「なんか、ハードスケジュールになりそう。」
士門「だろうな。それに禍野へも出向く。いつ居なくなるか解らないからな。スピード勝負だ。」
理奈「怠すぎる~。やっぱりおんぶ~。」