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強制連行時空旅行(双星の陰陽師R-20)

第22章 館内はお静かにお願いします。


ピッピッピッピッー


理奈「んー。うるさい。」

電子音に起こされる。
白い天井。硬めのベッド。
体に付けられた心電図が病院であることを告げる。


理奈「ん~。頭痛い。」

ずきずきする頭を擦る
暗い部屋には誰も居ないようで何となく安心した。

理奈(バレたかなぁ?)

ぼんやりとうっすら見えたおかっぱの後ろ姿。
沢山の影に合唱される術式。
そしてー吸い込まれそうに美しい狐の姿ー

全て朧気で断片的で曖昧な記憶。

何かを話していたとは思うが聞き取りまでは出来てない。

理奈「あいつが太乙か・・・。」

体を見れば心電図に点滴、なにやら分からない機械までいろいろ付いている。
ブチブチと取り、ドアの前で手を伸ばせば結界に塞がれる。

理奈「ですよね。今度結界のぶっ壊し方でも聴いておかなきゃね。」

ベッドへ行くとナースコールを連打する。


ガチャー


「1回押せば充分スよ。」


パチッー


電気が付くとそこには白衣を着た勘九郎の姿があった。

理奈「勘九郎。・・・コスプレに目覚めた?」

勘九郎「一応ここの院長を勤めてるんでね。」

理奈に近付き聴診器をあてる。


理奈「・・・ねぇ。うちの中に何がいた?」

心音を聞く勘九郎に遠回しに問いかける。

勘九郎「僕らなんか足下にも及ばない立派な仙人様方スねぇ。・・・理奈も不老不死だとか。」

心拍が強く激しくなる。

理奈「ははは。やっぱりあいつは話したんだね。・・・自分でも気持ち悪いって思うよ。・・・勘九郎もそう思うよね。」

勘九郎「・・・そんなん気にしてたんスか?」

理奈「?」

勘九郎「流石に最初は驚いたし、戸惑いはあったっスけど。そんなんで嫌いにならないし、理奈は理奈であることに変わりはないっスょ。」

そう言い理奈の頭を撫でる。

もっと嫌われるかと思っていた。

もっと・・・



理奈「・ふっ・ううっ・・・」


涙がこぼれた。
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