第20章 おいでませ!土御門島
太乙「きっ・・君は大丈夫じゃないかぁ。僕らは君の中に自分の意識を生き霊として異動しているけど普通なら簡単に細胞がバラバラになっちゃうからねぇ。」
理奈「ほぅ?・・・試したな?」
太乙「やってみなきゃ分からないでしょう?それに西洋の神々も手伝ってくれる事になったから上手くいってるんじゃないのか?」
理奈「マテリアか?」
太乙「そう。マテリア。名前は違えど神の力を借りているのに変わりはない。神一体。つまりマテリア一個に対し1度限りだが触るとゲートとして時間軸を変える手助けをしてくれる。そして僕らが妲己の封印をしつつ舵取りをしているわけ。」
理奈「話が複雑すぎ!簡潔に!」
太乙「つまりだね。不老不死の君の中に入ってる狐をやっつける為マテリアを使って異動し君が強くなり最後に封印を解き君が殺す。・・・ってこと。」
理奈「やれば出来るじゃん。」
太乙「どーも。・・・さてさて。ここに入ろうとしてくる輩が居るねぇ。入れないようにはしてるけど、面倒だから君が起きてくれ。」
そう言うと目の前がまた白くなる。
理奈「また逃げられた!!」
ガバッと起きるなり怒りを露にする。
船室だからかそんなに眩しくはない。この前より意識もはっきりしている。
有馬「おや?お目覚めかい?・・残念。」
理奈「入ろうとしてたのってあんただったの?」
有馬「気付いてたのか。凄いねぇ。・・分かった上で入れなくしていたのかい?」
理奈「うちはなんもしてないよ。中に居たやつがしたんだねぇ。」
有馬「誰だい?」
理奈「太乙。かな?他の人かな?十二人居るんだって。1ダースだよ。1ダース。」
有馬「太乙?・・太乙真人の事か?・・ははっ。仙人じゃないか。」
口許は笑っているが目は真剣だ。
理奈「仙人の友達同士で入ってんじゃね?分からんけど。」
有馬「君は・・・やはり計り知れないな。」
理奈「計らんで。ってか着いたんでしょう?行こうよ。」
船内に居ても港とわかる。
警笛や人の声。活気はありそうだ。
有馬「待ちたまえ。太乙だとして漏れでる程度の呪力が太乙とはどういう事だ。」
理奈「・・・相変わらず痛いとこばっか付いてくるよね。」
有馬「きちんと聞かせて貰おう。上陸はそれからだよ?」