第20章 おいでませ!土御門島
理奈「またここ?ってことは太乙真人?」
太乙「そう。・・ここは呪力が安定してるらしい。・・少しだけ出やすいな。だが、まだ呪力の余り必要としない僕だけしか出れないようだけどね。あと僕のことは太乙で良い。」
また頭に響く声。
理奈「ん。了解。太乙。ちょっとは顔見せてみたら?この前は途中でばっくれられて、聞きたいこともろくに聞けずに終わったしね。」
上の方を睨む。
太乙「君の呪力の問題さ。まぁ。僕らが悪いっちゃぁ、悪いんだけど。君を守る為に全て閉じ込めてるからねぇ。呪力も使ってる。まぁ。マジックポイントは自分で鍛えてくれて助かったよ。」
理奈「じゃあ、ここが安定してるんだったらもう少し長く聞き出せんのね?」
太乙「直ぐに全てが分かるが君は耐えられないだろうね。」
理奈「この前の事実だけで耐えられない。」
太乙「ははは。そうか。まぁ。僕らも何千年と生きているからねぇ。」
理奈「仙人ねぇ。異動してる時点でだいぶ不可思議な事が起きてるからなんとも言えないんだけど。因みに推測で皆にナニかサレるんだけど?それって意味あんの?無いならありがたい。」
太乙「残念。あるよ。」
理奈「あるんかい!」
太乙「空間は敏感で繊細だからね。規律正しく渦巻いている世界に、時間軸の違う、波長が違う君が来れば混乱し、消そうと躍起になる。ただ、この世界の者と交わる事で同調しだす。一定期間だけどね。結局自分の元から持つ波長は変えられない。」
理奈「じゃあ自分の元の世界に。」
太乙「それは出来ない。あそこには妲己三姉妹の妹達が居る。」
理奈「その妲己って人そこまでの人なの?狐って妖でしょ?うちから追い出せば簡単なんじゃね?」
太乙「追い出せばもっと厄介さ。何万人。いや、何億人死者が出るか。」
理奈「わぁ。怖い。ってかやっつけてよ。」
太乙「ずいぶん棒読みだねぇ。それが出来たらこんな苦労したくないよ。だから君が頼りなんじゃないか。」
理奈「期待しすぎ。何も出んよ?」
太乙「しすぎなんかじゃないさ。実際、君は妲己に憑依されても自分の意識を保っている。時空間を越えても体がバラけない。」
理奈「・・バラけるのか?」
太乙「・・・。」
理奈「バラけるのか?」
太乙「・・・・・・。」
理奈「おい。」