第16章 腹に力を私に金を!
理奈「無ぅ~理ぃ~。」
太乙「でなければ永久に共に生きねばならないな。」
理奈「それも嫌だね。」
太乙「ふふふ。それは我儘と云うものさ。・・・さて。今は呪力が足りないからね。もう話は出来ないがきっとまた逢えるだろう。どうせ僕らは君の中に居るのだから。」
ゆっくりと目の前が白くなっていくのを感じる。
意識ははっきりしたままだった。
ゆっくりと目を開ける。
あの時とは違う光に目を細める。
呪力を使いきったせいか体が思うように動かない。
理奈(・・・邪魔)
ボーッとした頭に右手を乗せ顔に張り付いた髪の毛を避ける。
コポコポと耳で音を立てていた水音に新たなノイズが加わり
ザパァー
水の中から引き揚げられる
ゆっくりと相手を見れば慣れていない目は相手を捉える事は出来なくて
理奈「だ・・・れ?」
相手の顔を指でなぞるがそこで意識を失ってしまった。
理奈「・・・」
次に目を開いたときはベッドの上だった。
??「漸く目ぇ醒めたか。」
ベッドの脇にあるゆったりとした一人掛けの椅子にもたれ掛かり此方を見ていた。電話をしていた様で持っていた受話器をガチャリと置く
理奈「おはよう。清弦。」
裸の体を隠しながら話す
清弦「でぇ?床ぁ全部水浸しにしてぇ、誰に会ったぁ~?」
理奈「なんのこと?」
清弦「とぼけんじゃねぇよぉー。丹田法やってるかと思って戻って来てみりゃぁ、守護霊と話するなんざぁ100年早ぇんだよぉ~。」
理奈「なんだ。よくご存知で。」
清弦「あたりまぇだろぉ~。何年やってると思ってんだぁ~。」
理奈「そぉね。まっ。簡潔に言うと・・・知らん!!知るか!!誰だあいつ!!顔見せろや!!」
清弦「会ったんじゃねぇのかよぉ~?」
理奈「天の声が頭に響いただけで顔なんかさっぱり。でも声は男だったかな?でも一人しか声しなかったけどいっぱい居るみたいな。・・・謎。」
清弦「じゃ~。何を話したぁ~?」
理奈「身の上話。」
清弦「ああ?」
理奈「全部教えるって言った癖に呪力がどうとか言って途中でずらかりおった。」
清弦「呪力が足りねぇか。いや。しかし基礎もろくに出来ない奴がどうやって・・・魔法とやらで呪力を一時的に上げたのか?」