第15章 ようこそ!有馬部屋②
理奈「・・・なに・・・これ。」
今の状況に固まるしかない
今理奈は有馬の寝室に寝ているのだが、キングサイズのベッドに二人とも全裸。
その上、抱き枕の様に有馬にガッチリと抱き締められた状況で寝ているのだ。
理奈(うん。動きたい。水飲まんと死ぬ。)
意外と強い力で抱き締められているせいでなかなか抜け出すことが出来ない。
ゆっくりと動き、腕を退かそうとすると
有馬「真魚・・有・守・・。」
寂しそうに呟きまたぎゅっと抱き締められる。
理奈「・・・。」
余りにも寂しそうな声に抱き返すと安心したかの様に手が少し緩む。
理奈「今だっ!」
すっとすりぬけベッドを抜ける。
理奈「ふぃ~・・・。」
とりあえずバスタオルで体を隠し、キッチンで水を飲んでいると
理奈「?」
写真立てが目に入る。手に取り見るとそこには有馬と女性、子供が微笑んで写真に写っていた。
有馬「これは失態だったね。写真にまで気を使わなかった。」
理奈「奥さん居るなら抱くなよ。浮気か?そして服着ろ変態全裸男。」
写真立てを持ち上げヒラヒラと軽く振って見せる。
まぁ。恋愛感情もなく自分を抱いていること位分かっているから特になんとも思わない。
有馬「くくく。良いねぇ♪変態全裸男♪」
ゆっくりと近付きながら話始める
有馬「そうだね。・・・ただね。妻。・・真魚はもぅ亡くなってるんだよ。」
写真を理奈の手から受け取ると寂しそうに微笑む。
理奈「・・・そうか。そいつは失礼した。」
手持ちぶさたになり、コップの水を飲む。
有馬「構わないさ。今は君が必要なんだ。少しでもあの方に近付く為に。僕はなんだってするよ。」
猫をあやすような手つきで理奈の頬を撫でる。
理奈「別に。・・・うちにも居場所なんか世界のどこにもないし。居る間は手伝うけどさぁ。無理矢理はなぁ。そして言っとくけど、この行為事態憶測でしかないから。そこを間違えなさんな。間違ってればうちは消えるぞ?」
壁に凭れながら話す。昨日の行為で体が怠い。
有馬「分かってるよ。明日は島に帰るから今日はゆっくり休みたまえ。僕はまだまだ仕事が残っているから。そうだな・・・清弦のところにでも行くと良いよ。彼は指導のプロだからね。」