第30章 ぷんぷん
スンースンスンー
「飯っ!」
匂いをかいですぐさま起きあがる。
が、清弦の姿は見えず、水の音がする。
ガチャー
露天風呂への扉を開ければ清弦が体を洗っていた。
清弦「目ぇ覚めたかぁ~?」
理奈「うちも入る。」
清弦が着せてくれたであろう浴衣を脱ぎ清弦の隣に座りシャワーのお湯を掛ける。
清弦「早い目覚めだな。」
理奈「うん。とっても美味しそうな匂いで起きた。・・・あっ。貸して。背中洗ってあげる。」
清弦からタオルを受けとる。
理奈「・・・。」
清弦「どぉした?」
じっと背中を見ていた理奈に問いかける。
理奈「あっ。いや。ごめん。・・なんか傷がいっぱいだなぁって思って。」
少し大きめの傷を指でなぞる。
清弦「ん。・・ぁあ。禍野じゃぁこんなのしょっちゅうだからなぁ~。いちいち気にしてねぇなぁ~。」
ごしごしと背中を洗いお湯を掛ける。
理奈「出来たっ。・・でもやっぱり痛そう。」
ゆっくりと指でなぞり傷口にキスをする。
清弦「っつ!」
理奈「あっ!ごめん。痛かった?」
向かい合うとソワソワと謝る理奈の手首を掴む。
清弦「随分と今日は積極的だなぁ~。・・もう1回付き合えよ。」
理奈の顔からスッと血の気が引いていくが構わず押し倒す。
理奈「ぎゃぁああ!!」
その後もう一度食べられたのは言うまでもない。