第29章 買い物したい・・・家とか欲しい
理奈「んで、どこ行くの?」
未だ自分のペースで歩き続ける清弦に必死で追い付いていく。
清弦「買い物。」
理奈「ってか歩くの速すぎ!もうちょっとゆっくり歩けない?」
清弦「何言ってやがる。普通だろぉ~?これだからガキはよぉ~。・・・ほら。手ぇ出せぇ~。」
理奈に向かい手を出す。
理奈「ん。」
その手を繋げば、歩くペースもゆっくりになって自分に併せてくれているのを感じる。
清弦「ここだ。」
レトロな店に木の看板で『武具・備品』と書いてある。
中へと入ると
店主「これはこれは清弦様。ご注文の品ですね。出来ておりますよ。」
棚から掌より少し大きめのケースを取り出す。
理奈「これ何?」
清弦「これはホルダーだ。ここに霊符を入れる。」
金を店主に払いながら説明する。
理奈「へぇ。便利なもんあんだねぇ。昨日禍野に行ったときなんかポケット突っ込んでったよ。」
ケラケラ笑う理奈に
清弦「・・お前禍野に行ったのか?」
清弦が焦る。
理奈「うん。婆娑羅ってやつやっつけてきた。でも有馬は闘う気ないし一人放置されるし散々だったよ~。・・・ってあれ?」
店内がしんと鎮まりかえっている。
清弦「一人でやったのか?」
理奈「う・・うん。途中までは・・でも後で勘九郎が手伝ってくれて勝て・た・・んだけど・・・まずかった?」
清弦「いや。・・親父ぃ~。こいつにもホルダーやってくれぇ~。金は俺が出す。」
親父「へっ・・へい!」
いそいそと取りに行く。
理奈「確かに綺麗なお姉さんだったけど、人じゃないし、攻撃してくるし・・・」
ブツブツと取り繕う為に弁解する
ポンー
理奈「?」
清弦の手が頭の上に優しく置かれる。
清弦「Sランクを一人でやったんだ。誇れることだぁ~。・・だが有馬の命とは言え無謀だ。俺らに相談位しろぉ~。」
理奈「はぁい。」