第6章 そいつはあかんやつや。
勘九郎「あんまりマスク取らないから貴重なんスよ?」
マスクを下にずらし近づいてくる。危険を感じバタバタと動くがそれも空しく唇が重なる。
理奈「はぁっ・ぅん・・・」
勘九郎の舌が理奈の舌を絡めとり、しんと静まり返った部屋に水の音が響く。
くちゅっーぴちゃっー
理奈の抵抗が収まり目の回りが赤くなってくのを確認しゆっくりと離すと離れたくないかの様に糸を引き落ちる。
ガチャー
有馬「おっは・・・」
元気に入ってきたのもつかの間。固まる
こっちも固まるしかない。
暫くの間固まっていたが、
勘九郎が慌てて解釈する。
勘九郎「ち・違うんスよ!これは・・・」
有馬「・・・はっ!!・・ちょ~っと来てくれるかな?」
未だに固まっている理奈をよそにいそいそと外へと出ていく二人。
理奈「・・・はっ!!」
漸く石化が解け動き出す。・・・窓へと向かって。
扉の外ではー
有馬「・・・あんな事をするってことは分かったんだね?」
勘九郎「尋問なんてしなくても大丈夫っスね。」
有馬「ほう?」
有馬が促す様に腕を組みドアにもたれ掛かる。
勘九郎「推測っスけど、要は遺伝子っス。こっち側の人間のが多少なりとも入ればって感じだと思うんスけど・・・昔された事の夢でも見たんスかねぇ?脈、心音、呼吸、体温総て乱れていた上に『クソ眼鏡のせいで変な夢を見た』と。まぁ、唾液の成分的にそんなに長くは持たないっスけど。」
有馬「そう言うことねぇ。・・・永く持ちそうなのは?」
勘九郎「そりゃあ。・・・精子っスね・・・。約11日は生きてるっスから。」
暫く考えた後、
有馬「んー。後は本人に聞いてみるか。」
ガチャリー
有馬・理奈「あっ。」
窓に片足を掛ける理奈と有馬の目が合った。