第27章 討伐・ミッション・婆娑羅ストライク
勘九郎「ふふっ。冗談っスよ。冗談。因みになんスけど、そう毎日しなくとも精子は大体11日間は死なないんスよ。だから今日はしなくても良いんス。」
理奈「へー。じゃあ、拒否権もあるんだな。皆して人をおもちゃみたいに・・・」
ブツブツと文句を言う理奈に笑みが溢れ、自分の下唇を指でなぞる。
勘九郎(今日は良いっス。ゆっくりキス出来たし想いも言えたから。)
理奈「?何嬉しそうにしてんの?」
勘九郎「いや。何でもないっスよ。」
理奈「変なの~。」
理奈も思わず笑顔になる。
ぐぅ~ー
突如お腹が鳴り理奈が自分のお腹を擦る。
理奈「うん。腹ペコ。今日何も食べてない。」
勘九郎「それは困ったっスねぇ。今何か持って来させるっス。」
電話で食事の事。病院に残る事を簡潔に伝える。
流石に理奈の事は言えなかった様だ。
勘九郎「今温かいものを頼んだっスから時期くるっスよ。また、隣の部屋に。」
マスクを取り出すと顔を隠す。
理奈「うん。ありがと。」
そそくさと隣の部屋へと移動する。
暗闇にしゃがみこめば今になって恐怖が溢れだす。
理奈(くっそ。)
ガタガタと震え出す体が止まらない。
予想以上に自分を上回る力。勘九郎が来なければ確実に殺られていた。
死ねないと分かっていても体の痛みが死への恐怖を物語る。
勘九郎「・・・理奈?」
ハッとして振り替えれば勘九郎が心配そうに顔を覗かせていた。
理奈「あっ・・・ごめっ・・気付なかっ・・・。」
不意に体に温もりを感じる。
勘九郎「理奈。無理しちゃ駄目っスよ。」
理奈「してない!してない!大丈夫だから。」
取り繕おうとするが
勘九郎「体。震えてるっスよ。」
頭を撫でられれば理奈の頬に涙が伝う。
理奈「うぅっ・・・」
必死で止めようとしても止まらなくて。
勘九郎「・・・。」
泣き止むまでの間何も言わず黙って頭を撫でてくれていた。