第27章 討伐・ミッション・婆娑羅ストライク
理奈「はぁぁぁぁ。」
深々とため息を吐くと戦闘の準備をすべく部屋へと戻る。
憲剛「おっ。話合いは終わったか?」
ぐったりしている理奈に楽しそうに話掛ける。
理奈「うん~。今日は学校休みで禍野に鬼退治だって。学園長にお腹痛いから休みますって伝えといて。」
装備を取り付け丹念にマテリアを組み合わせていく。
憲剛「マジかよ。・・まぁ。あいつが居るならまだ大丈夫だと思うが。・・無茶はすんなよ?・・そうだ。呪装。習っただろ。」
霊符を渡される。
理奈「ん。まだ呪力の出し方がいまいちだけど。・・ありがとう。」
新に教えて貰った詠唱と清弦と憲剛から教えて貰った呪力の放出を合わせればなんとかなりそうだ。
ぎゅっー
憲剛に不意に抱き締められる。
憲剛「・・・死ぬなよ。」
理奈「死ねんよ。」
苦笑いで答える。
ここから嘆きの台までの階段まではそう遠くない。
理奈「さて。準備も出来たし。行こうかね。」
玄関まで見送ってくれた憲剛に軽く手を上げると外へと歩を進めた。
憲剛「・・・行ったか。」
理奈の姿を見送ると懐からスマホを取り出す。
RRRRRRー
「はいはい~。そっちから掛けてくるなんて珍しいスねぇ。」
明るい声がする。
憲剛「理奈が禍野に行くらしい。」
勘九郎「・・あの人の命令っスか?」
声のトーンは静かだが電話口からでも怒りがピリピリと伝わってくる。
憲剛「おい。落ち着け。」
勘九郎「これで落ち着ける方が異常っスね。・・今から行くんスか?」
憲剛「みたいだな。」
勘九郎「それで・・憲剛は止めなかったんスか?」
憲剛「ああ。」
ピッーツーツーツー
一方的に通信が切れる。
憲剛「はぁ。・・これで良かったんだよな。」
外を見ながら呟いた。