第12章 求愛論/ky
「うん…なんかさ、こんな時って…
気持ちを確かめ合って、付き合うってなって、それからキスするんじゃないのかなぁ…」
「…は?」
キヨは少し考えるような素振りをした後、突然お腹を抱えて笑い出した
「ちょ、何!なんで笑うの!?」
「いやっだってさ、つばさってそんなこと気にするタイプなんだなって思ったら、可愛くて!」
可愛い…
その言葉に内心喜んでしまったけど、気を取り直して話を本題に戻す
「だ、だからさ、なんかこう…実感が湧かないって言うか…」
「ふーん…じゃあさ、やり直ししてもい?」
そう言うと、姿勢を正し深呼吸を一つ
向き直り、真っ直ぐな瞳で私を見据える
「つばさ……好きだよ。」
心臓がトクン、と反応する
「俺のこと、どう思ってる?」
「え、あ…わ、私も…好き、だよ…」
キヨは優しく微笑み、私の手を握る
思ったよりも高い体温に恥ずかしくなって、つい目を逸らす
「俺の彼女になってほしいんだけど…?」
「う、ん…もちろん…」
数分前にしたことを逆からやってるだけなのに、うまく返答できないなんて
想像以上にときめいているんだって思う
「つばさ…」
キヨの顔がゆっくりと近付いてくる