第12章 求愛論/ky
次は…キス…?
加速する鼓動を感じながら、ギュッと目を閉じる
柔らかい感触と熱が伝わってくる触れるだけの軽いキス
すぐに離れると、ふふっと笑うと声が聞こえる
「緊張しすぎだから。」
肩を押され、ベッドに倒れこむ
見上げると愛おしそうに私を見つめるキヨがいる
先程とは真逆の体勢
ゆらりとまた体が近付く
三回目のキスは少し深くて、何度も角度を変えて啄むようなキスに呼吸を奪われる
「ん…っ、キヨ、もう…」
肩を押して静止させると
名残惜しそうに離れる唇
「…反応可愛すぎ。」
可愛い……また言われた…
頰に熱が集まるのがわかって、まともにキヨの顔が見れない
「ここまでするつもりなかったけど…」
また迫ってくる顔を遮るように顔を横に背けると、キヨの動きが止まる
「…なんで…そんな余裕なの…?」
完全にキヨのペースに引き込まれたのが悔しくて、少しばかりの抵抗をしてみる
てっきりいつもみたいに笑ってからかってくると思っていたキヨは、眉間に皺を寄せて、情欲を映した瞳で私を見下ろしていた
「…余裕なんかねえよ。
好きなやつが目の前にいて、そんな顔されて…我慢できるかよ。」
甘く、苦しく、胸が痛む
…あぁ
これが欲しかったんだ
理性を壊すほどに
求められてるという実感が
そうして再び近付く唇に目を閉じた