第14章 Amore
俺は再びしょーちゃんをギュウッと抱きしめた。
「ぶふっ」
しょーちゃんからまたまたヘンな声がしたけど気にしない。
「しょーちゃん…今日…ウチに来る?」
楽屋だし、誰かに聞かれてもイヤだから、しょーちゃんの耳元で囁いてみる。
こんなシチュエーションは初めてだから、めちゃめちゃドキドキしてきた。
なんか…
しょーちゃんの背中、湿ってる?
あ、俺の手汗か。
「相葉くん…」
「ん?しょーちゃん?」
「熱いよ…」
「ん?あついほうよう?」
もっと抱きしめてほしいってことかな?
「いや、そうじゃなくて…いや、それはそれで嬉しいんだけども…」
はぁ…ってしょーちゃんの声がする。
「本当に、行ってもいいの?」
「うん。おいで」
「じゃあ…そうする」
「うん」
余韻に浸りたかったけど、楽屋の外からメンバーの声がしてきたから、俺たちは咄嗟に体を離した。
その時さ、しょーちゃんがちょっと上目遣いになってたの。
何なの、あの可愛さ!
ヤバイ、ヤバイ。
この後ちゃんと仕事に集中できるかな。
…なんて思ってたけど。
意外にもテンパってたのは、俺じゃなくてしょーちゃんだった。
ゲームのしりとりで、まさかの”ん”で終わらせちゃうなんてね。