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僕らの時間【気象系BL小説】

第1章 明日に向かって N×S



テレビに繋がれたゲーム機のコントローラーが、なぜか僕のほうにある。

翔ちゃんがやるんじゃないの?って思ったけど、まずは僕がやるのを見たいらしい。

そして…

「これこれ!プカプカしてる気泡がめっちゃ可愛い!」
「この音楽、癒されるなぁ〜」

海の画面になった途端、手を大きく動かしながら興奮気味に話す翔ちゃんにはびっくりした。

うん、あの気泡はたしかに可愛いかもしれないなぁ、今まで気にしてなかったけど…。



「翔ちゃんはやらなくて良かったの?」

「はい、見てるだけで十分楽しめました」

「そうだね、すごく楽しそうだなって思ったよ」

そんな会話をしながら、ゲーム機を棚にしまう翔ちゃんを眺める。

スラッとしていて、後ろ姿もイケメンだよなぁ。

オーバーオールも意外と似合うし、帽子から出ている前髪が絶妙だし、大きな瞳は綺麗だし。

惚れちゃうよな…惚れ、惚れちゃって、る…?

そんなことを思いながらドギマギしていたら、振り向いた翔ちゃんとバッチリ目があった。

ドクン…

「カズさん?」

「あ〜っ、えっとさ。このコスプレ、翔ちゃんが買ったの?」

「これはビンゴ大会の景品だったんです」

「ビンゴ大会?」

「はい、大学の仲間で集まってクリスマス会をした時の」

ビンゴ大会ができるくらいの大人数の仲間か…

それを聞いて、現実に引き戻された気持ちになった。

僕と翔ちゃんは、25歳の会社員と二十歳のイケメン大学生。

こうして一緒に過ごせてるのはゲームと同じように異次元の世界なのかもしれない。

元々マイナス思考の僕は、何だか胸がモヤモヤしたんだ。






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