第5章 STAY GOLD M×S
家族には…特に姉ちゃんには後ろ髪を引かれる思いがあったけど、俺は自分の気持ちを誤魔化すことはできなかった。
サクショウにどんどん惹かれていく自分。
彼が隣で話す度に…彼が俺に触れる度に…
友達とは違う感情が膨らんでいった。
「ねぇ、マツジュン。ウチの両親がね、一度会ってみたいから連れてきなさいって」
「サクショウの家に?」
「うん、そう。もし来づらかったら断ってもいいし、会うのは別のとこでもいいし…」
「…ちょっと考えさせてもらってもいいかな」
「うん」
それから3日考えて。
俺はサクショウの家に行くことにした。
両親と姉ちゃんには“友達の家に行く”と告げた。
そこに嘘はないから。
「はじめまして」
緊張する俺を、サクショウの家族は暖かく迎えてくれた。
これが逆だったら…ウチにサクショウが来たとしたら…こんな風に迎えてくれるのだろうか。
そんなことが頭をよぎる。
「潤君は、松本さんのご子息なんだって?」
「は、はい」
「いい顔してるし、賢そうだし。笑うと可愛いね」
「まぁ、貴方ったら。ウチの翔とは違うタイプのイケメンね」
「父さんも母さんもやめてよ。ごめんね、マツジュン」
「仲良さそうでいいですね」
俺がそう呟いたのを、3人は聞いていたようだ。
「潤君は…何か心配事でもあるのかい?」
サクショウを見ると、コクっと頷いてくれた。
「あ、あの…こんなこと聞いていいのかわからないですけど…」
俺は以前サクショウに話したことを、サクショウの両親にも話してみたんだ。