• テキストサイズ

僕らの時間【気象系BL小説】

第3章 アオゾラペダル N×O



翌日の体育の時間。

前半は全体練習、後半は種目ごとでの練習が行われた。

俺の手には、足を結ぶ紐。

この紐で、大野さんの足と繋がるのかぁ…。

「二ノ?」

「あ、はい」

「足…結ばないの?」

「結びますけど…大野さんは右と左どちらにします?」

「ん〜おいら右側にいきたいから、左足結ぶ」

「はい、わかりました」

「だって、二ノ左利きだから…手を振って勢いづけるの左手のほうがいいでしょ」

「まぁ…俺は器用だからどっちも大丈夫ですけどね?」

「素直じゃねぇなぁ」

「ふふっ。気を遣ってもらってありがとうございます」

「んふふ。始めよっか」



二人の足を結ぶために身体を寄せあう。

トクン…

この距離間、いつぶりだろう。

胸がザワッてするのをかき消すように、足元に集中した。

二人の足の位置を合わせて、紐を結び始める。

「きつくないですか?」

「もうちょっときつくてもいいよ」

「わかりました」

結んでは解いて、また結んで。

それを何度か繰り返していると、段々姿勢が辛くなってきた。

そんなことを思っていたら

フワリ…

大野さんの手が俺の腰に添えられた。

この人のことだから、俺が疲れてきたことに気づいて支えてくれてるんだろう。

それはわかってはいるけど…

再び胸がざわつき、顔が火照るのを感じる。

腰もジンワリと熱くなって…

紐を結ぶ手にギュッと力を込めた。






/ 87ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp