第2章 Bittersweet A×M
(Mサイド)
楽屋に戻ると、なぜか俺の体調を心配する相葉さんが家飲みにしようと言ってくれた。
体調が悪かったわけではないけど、気にかけてくれたことも、相葉さんの家に行けることもすごく嬉しかった。
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、日付も変わっていた。
そしたら相葉さんが、泊まっていっていいって言ってくれた。
1人で帰すのは危険だから…って。
もちろん、それはそれで嬉しいけど…何だか胸がモヤモヤした。
それだけなの?って。
他に理由はないの?って。
だから相葉さんに訊ねたんだ。
「理由はそれだけなの?」
すると、相葉さんは何か考えているように見えた。
俺は相葉さんを困らせたいわけではない。
「あ、あの…ごめんね。俺、酔っちゃってるのかなぁ…」
なんだか申し訳なくなってきてしまい、誤魔化そうとしたんだけど…。
そんな俺を相葉さんがじっと見てこう言った。
「まだ離れたくない」
「えっ…」
「一緒にいたい」
「相葉さん…」
そしたらフワッとした温もりに包まれて…
「好きなんだ」
耳元でそう囁かれた。
やっぱり俺は変なのかもしれない。
相葉さんの温もりに包まれてるのに、心と体が震えてしまった。
「好きなんだ」って言われて。
聞きたかった言葉のはずなのに…
嬉しくてたまらないはずなのに…
何だか急に怖くなってきたんだ。
「相葉さん…」
「なに…?」
「いいのかな…俺たち…いいのかな…」
「えっ?」
「気持ちのままに進んでいっていいのかな…」
「松潤…」
俺を包むようにしていた相葉さんの腕に力が入り、ギュッと強く抱きしめられた。