第2章 Bittersweet A×M
(Aサイド)
収録が無事に終わり楽屋に戻ってきた。
それぞれ次の仕事に向かい、今は俺と松潤の二人きり。
だけど朝と違い、松潤の表情が曇っている。
そういえば、楽屋に入る時は顔が赤かったな…。
「松潤、具合悪い?今日はやめとく?」
そう聞くと首を横に振る。
「本当に大丈夫なの?」
今度は首を縦に振っていて。
うーん…どうしようかな…。
「あのね、もし良ければなんだけどね、体調が悪くなっても体を休められるようにさ、ウチで…家飲みにする?」
すると、ぱあぁっ…って笑顔になってきて。
「行く。行きたい、相葉さんの家。」
「じゃあ…食べるもの買って帰ろ?」
「うん!」
うん。松潤が元気になって良かった。
でも、なんでかな?
今日は妙に可愛いんだよなぁ。
マネージャーに話をして、今日は松潤も一緒に俺の家まで送ってもらった。
お酒とつまみを口にしながら、仕事の話や思い出話を沢山して。
気づいたら日付を跨いでいた。
松潤はまだそんなに酔ってる感じではないけど、表情はポワンとしている。
そんな松潤を一人でタクシーに乗せるのは危険だ。
そう思った俺は、ある決断をした。
「あのさ…今日はもう遅いからさ、ウチに泊まってく?」
「あ、あの…もう1回言って?」
「今日は泊まっていってもいいよ」
「ほ、本当にいいの?泊まっても」
「いいよ。1人で帰すのは危険だし」
俺がそう言うと、松潤は悲しそうなそれでいて怒っているような表情をした。
「えっと…松潤…?」
「それだけ?」
「えっ…?」
「泊まってっいいって理由…それだけ…?」
本当はそれだけじゃないけど…松潤に引かれないかな…。