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rain of teardrop【黒バス/ジャバ】

第9章 teardrop afterⅡ-2



息を荒らげに吐く名無しは、シルバーが戻ったことを、彼の声を耳にしたことでも察していた。
直後にはベッドのすぐ傍に歩み寄られ、姿も目の当たりにした。
もっとも、覗き込まれて目が合った時点でも心臓はバクバクと速度を上げて動いており、再び冷や汗は背を流れていたのだ、ナッシュがどうのと、その場で騒ぐ暇もなかった。

避けたかった状況が目前で起こり、二人同時に対峙してしまった現実にも目を背けきれない。

車での出来事が大きく脳内で膨らみ、よみがえり、名無しは恐怖で噛み締められなかった奥歯を俄かに鳴らした。


「や・・だ・・・、ぃ!!痛・・――ッ」

「!・・・は・・っ・・、確かに・・・しっかりシルバーのカタチに慣れてやがる・・・いい気はしねえな」

「ッ・・・抜い・・、い・・、・・・いたい・・」

「ん?・・・そんなに痛てえかよ・・さっきまであんなに感じて、ベッドもここまで濡らしておいてか?」


シャワーを終えたシルバーは、ローブ姿のままベッドの傍でしゃがみこみ、伸ばした腕で名無しの乱れた髪を頬から掃った。
愉悦と苦悶を掛け合わせた、何とも言えない彼女の表情を眺めながら一度舌をなめずると、唇のピアスにも舌先でとんとんと一度触れる。

大きな手のひらで頬を撫でるとそこには熱がこもっており、名無しがいかに、ナッシュによって喘がされていたかを確認することもできていた。


自分の居ないところで、たまたま訪れたチームメイトに惚れた女を好き勝手され、普通ならそこは怒って当然だ。

が、怒るどころか性欲をより煽られていたのは、シルバーも、そしてナッシュも普通じゃなかったからだろう。

彼らにはいつだって、名無しを弄ぶ以外の考えは皆無だった。


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