rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第8章 teardrop afterⅡ
名無しの身体に染み付いた、シルバーの香水の香りが邪魔じゃないといえば嘘になる。
それでもナッシュは彼女を抱くことに専念した。
嗅ぎ慣れた匂いが少し気になるだけだと考えれば造作もないからだ。
それに、名無しから香るほどシルバーがしつこいということも自然と伝わってくる。
彼がどれだけ本気で、手放す気がないかを理解するには事足り過ぎていた。
だからこそ犯し甲斐もあったというもの・・・非道と下衆を足してもまだ形容が欲しいほどの、これが恐らくはナッシュの性分なのだろう。
「は、・・ぁ・・ぁ・・・」
「ん・・・」
「嫌・・・、ぁ・・!」
「・・・攻めやすいな・・あの狭いハコとは比じゃねえ。シルバーもさぞおまえを可愛がってるんだろうな」
「ッ・・・そんなこと・・、ひ・・・」
「おまえの身体を見りゃあ分かるぜ・・・もう何度も挿されてんだろう?今日も・・・さっきまでピーピー叫んでたことくらい想像できる。・・・声、擦れてるじゃねえか」
「・・っ・・・」
まだ咽ぶほどの悲鳴は上げていなかったつもりだ。
それでもナッシュの耳は確かであり、それがまた名無しは悔しく、そして怖かった。
いつしかぶりの突然の再会でも、再会してほんの数分でも。
見抜かれていることがとにかく恐ろしかった。