rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第8章 teardrop afterⅡ
名無しがシルバーの浴びていたシャワーの音に耳をすまし、その音がどうかまだ止まないで欲しいと願っていた矢先のことだった。
しゃらしゃらと流れる水の響きに混ざり、彼女を襲ったのはまた別の音。
それはまるで、心臓をぐっと鷲掴まれたかのような・・・。
驚きのあまり、名無しの注意は浴室から一気に玄関の方へと向かった。
「・・・・」
ノブが強く上下する。
扉が開く鈍い音も聞き覚えはある。
ただそれは部屋の主が開閉するものとは少し違っていて、明らかに自分達以外の誰か三人目が、此処へ入ってきたということを名無しに示していた。
近付く足音はずけずけと、無慈悲に距離を縮めてくる。
寝室の扉を開けたのはナッシュだった。