rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第8章 teardrop afterⅡ
人肌の残るベッドの上。
枕元にはまだ、乱雑に投げやった、無機質なPTPシートの残骸が落ちている。
「・・・・」
喉の奥へ通したばかりのそれは、場の雰囲気にはあまりにもそぐわず、ただただ異色に思えただけだった。
文字通り屑でしかなかったものは本来、すぐにでも屑籠に捨てるべきなのだろう。
そんな気にもなれず、そしてそうするための力も上手く腕に伝達できなかった名無しは、自身の火照りが消えゆくことと、体力が戻るのをぼうっとしながら待っていた。
「・・・・?!」
「――・・・おいシル・・・、ぁア?」
「・・ッ・・・」
好きでもない男のベッドの中で横になることは屈辱でしかなかった。
甘受してしまうのは、どうしても身体が言うことを訊かなかったから。
それほどまでにシルバーは名無しを抱く時、彼女を極限まで追い詰めていた。
「・・や・・・」
萎えを知らないシルバーの欲は、一度吐き出されただけでは衰えない。
一度呼び出されれば数時間、あるいは一晩中拘束されて、向こうが満悦を感じるまで悲鳴を上げさせられた。