rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第7章 teardrop after
名無しがふらついた足取りで向かった先は、出来れば行きたくない場所だった。
距離が縮まる度に心拍数と鼓動は速くなり、唇をまともに閉じられない程その部位は震えていた。
慣れるわけないのだ、望まない行為には。
「・・・ッ・・」
あれから何度も何度も強要された。
逃げられないように仕込まれていたそれはまるで罠。
大きな手のひらに乗せられた携帯は、その指が一、二回動けば、握られていた弱みは簡単に拡げられてしまう。
そんな恐れがあれば、逆らうことなどできようもなかった。
「出っ・・、・・・ァ・・ッ――」
拡散を阻止するため、名無しはもう両の手では数えられないほどそこを訪れ、同時に地獄を見ていた。
来たくもないその男の家では、決まってベッドと浴室の往復をするだけの日々が続いていた。