rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第5章 rain of teardrop-5
「ピルならシルバーも持ってるだろ・・・あとで飲ませて貰えるように、上手くおねだりでもするんだな・・フッ」
「っ・・・」
名無しの耳に、革が締まり、金属がかちゃかちゃと響く何かが聞こえる。
それはナッシュが乱れた服を纏い、ベルトに手をかけていた音だった。
身嗜みを整えながら名無しに吐き捨てるなまなましい言葉は、その特定の単語ひとつで彼女の思考を狂わせ、また激しく傷つけた。
が、ナッシュからしてみればらしくもなく、むしろ配慮してやったとでも言うべき言葉だった。
「・・っ・・・、ふ・・」
射精され、なかに出されて、そのうちの一人である本人は意外にも車内から去ろうとしている。
シルバーの感情の変化にも気付き、満たされたナッシュにとってこの場にいる理由はもうなかったのだから、身形に気を配るのはこの場合はきっと妥当だろう。
もっとも名無しにとっては、逃げられてしまうようなものだった。
やり捨てられ、いまだひくひくと疼く陰部に対してどうすれば・・・そのひとつとしてせめて訴えた一言が、ナッシュに避妊薬のことを口にさせていた。
「じゃあな。まだまだたっぷり・・・可愛がってもらえよ・・?シルバーはしつこいぜ。・・・は・・ハハッ!」