rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第36章 the beginning of hell
「今日…まだ無理かも……で…。ごめんなさい…」
「あ?何が無……アーーー……そういうことか」
「ッ……」
「気にすんなや……ゴロゴロして過ごしゃあいいだろうよ」
「!……え…?!」
この日の名無しは、急遽呼び出されたことには大いに嬉々を抱いていた。
が、同時に百パーセントそうだとも言い切れない事情ももっていた。
あと数日待ってくれれば、その身を好きに預けられたかもしれない……。
名無しはシルバーの機嫌が損なわれるのではないかと少し不安げに口を開くと、その言葉数の少なさに、彼の眉間には一瞬皺が寄せられた。
もっとも、幸いすぐにピンときてくれたらしいことが、消えた皺を目にしてよく分かったのだけれど。
互いの都合にかかわらず、一週間ほど会えない周期は必ず月に一度訪れる。
これ以上自発せずに済み、名無しはひとり安堵した。
そして安堵したゆえに、シルバーのらしくない返答に気付くのに一寸後れをとっていた。