rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第35章 the price of choice
「……ッ」
どんなに日が経とうとも、シルバーは気付いてくれない。
自分を傍に置き、これから大事にしてゆくつもりがあるのなら、あってはならない過ちが名無しに起きていたことに……。
それはどうしたって名無しの口から言えたものではなかったし、助けてと願うのもおかしな話だと思った。
現にそう口にして助けられたとしても身体は元に戻らない。
心だって、根底から救われる気もしなかったから。
後ろめたさが残っても、自分が耐えればいいだけで構わないのなら、その選択をするほかないと名無しは痛感していた。
そして、耐えられるものを篩にかけたとき、浮かんだものが彼女にはまだあった。