rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第33章 wrong step on the stairs7
「ッ……」
罪悪感に押し潰されそうで居た堪れなかったけれど、名無しはいま、どうしてもナッシュとの事実をシルバーに知られたくなかった。
それは、彼が機嫌を損ねて自分にあたってくるかもしれないとか、報復怖さによるものなんかじゃない。
ただ素直に、シルバーを失いたくないと思ってしまっている自分が居たのだ。
粗暴で高慢な、悪魔にも等しいようなこの男のことを―――。
「大体もたれるにしてもおまえ、こんな腕回してよ……普通は背中でギュッとするくらいだろうが…大胆になったなぁ……ハハッ」
「…っ……」
「ま、さっきはおまえの胸があたって気持ち好かったぜ?次は前向いてよォ……ほーら。あててくれよ……名無し」
「ッ…あ……」
「ほら…ハグだよハグ……屈んでやるからそのまま…、……!!」