rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第30章 wrong step on the stairs4
シルバーに下半身を愛でられ、上に目標が移って、胸の奥では淡く期待したもの。
けれどわざと焦らされて、流れを変えられ、キスもされた。
このとき名無しが短い時間で思考していたのは、どうせ明かりを消す選択肢を持ち合わせていない彼には、同じことを願っても無意味だろうということ。
いくら気持ちが好いからとはいえ、羞恥心にまみれて明かりのもと陰部を刺激されるのはやはり嫌だった。
どう考えても、ここでシルバーが名無しに求めていたのは懇願だ。
自分に縋る姿を見下ろし、この男は支配欲、征服欲を満たしたかったのだと思った。
名無しはシルバーのその欲を違う形で満たすことを心に決め、願うと見せかけて、今度は自らが下着姿のまましゃがみ込んだ。
シルバーを壁側に、ベルトに細腕を伸ばし、解き、静かに服のファスナーを下ろす。
彼の下着の中で育っていた竿を取り出すと、一度咥えることを躊躇う仕草を見せつつ、名無しは次の瞬間には、小さな咥内にそれを含んでいた。
「ん…ん……ッ、んぐ…」
「……ハッ…そんな恥ずかしいのかよ…進んでしゃぶり付くくらいによォ?!」
「っ……」
「……おまえがそうやって健気なコトに走ってくれちまうおかげで、オレはおまえにどっぷり嵌ってってんだ…マジで責任取れよ」
「、……ぐ!んん……ふ、ぁん…」
「……わかったよ…一回フェラで達かせろや……。そうしたら暗くしてやるよ……二発目は長く突いてやれるしな」
ふと、一考した内容のバカらしさに気付き、呆れた頃には既にあとの祭り。
されるか、するか……。
どっちにしたって恥ずかしいことにかわりはないというのに。
何れかに差がついていると錯覚していた自分を、名無しはシルバーのものを咥えながら卑下した。
懇願するくらいなら口淫している方がまだマシ……などと、そんな二択を作っている時点で、自分の脳内は既に花が満開だったいい証拠だ。