rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第3章 rain of teardrop-3
「・・っ・・・」
何かを嚥下する際、本来なら上下する筈の名無しの首筋が動かなかったことは、ナッシュの理解の範疇ではあった。
けれどまさか吐き出すなど・・・苦しそうに涙目で咳込み、思いのほか何度も嘔吐く彼女を見下ろしていても、そこに同情の余地などありはしない。
白濁を喉の奥に通せず、虚ろな瞳で短く呼吸する名無しに対しナッシュが感じたのは、シートと服を汚し、飲むべきものを飲まず命令に背いた彼女を、ここからどう凌辱していこうかという企みだけだった。
「・・・シルバー・・退けよ」
「ぁア?・・ッ、・・・」
「――替われ」
律動を続けていたシルバーが思わず腰の動きを、そして零した冗談を止めるほど、ナッシュの怒りは沸々とせり上がっていた。