rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第3章 rain of teardrop-3
「――・・・」
ナッシュの射精後、口の中に広がった嫌悪感は名無しの上顎や喉元を再び真っ白く汚し、精液に纏わりついた熱は彼女が嗚咽を漏らすのを助長していた。
みなまで言われることはなかったけれど、口で咥えていた以上、此処が何処かを考えれば名無しのとるべき行動はひとつだ。
とろとろとした熱源を喉元に、そこで彼女が我慢できなかったのは、もうこれ以上は無理だということ。
拒否反応を示した末、肌に浮いていた鳥肌がスッと引いてゆく。
それは名無しが、ナッシュの体液を自身の頭のそば、シート上と、彼の服に吐き出した瞬間と同じだった。
「―――・・・ッ」
「アーアー・・・まずいんじゃねえのかァ?なーに吐いちまってんだよ・・・二人分きっちり、さっきまでちゃんと飲んでたじゃねえか。まさかもうハライッパイなんて言わねえよな?」
「ッ・・・あ・・」
「しょうがねえなあ名無しチャンは、・・・?!」
黒革のシートに馴染むことは無くても映えて見えるのは、その色とのコントラストの所為だろうか。
白く濁った半透明がところどころにダマを作り、無造作に散っている。
名無しの口角から顎にも伝うナッシュの精液は、彼女がそれを飲み込めなかったことを尽く表していた。