rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第30章 wrong step on the stairs4
―――。
――。
『なァ……おまえ、こういうのは着けねえのか?』
『ん……、え…?……ッ…』
『ハハッ……まさか見たことねえのかよ?!』
『…だって……んッ』
『ほーらよく見とけ…ヤッてることはオレらと変わんねえんだからよ』
『っ……うぅ…』
『……。…な、今度着けて来いよ。こういうタイプはすげえ好みなんだよ』
――。
―――。
「似合ってるじゃねえか……名無し」
「や……ほんとに…、明かり……」
あのとき、快楽を引き摺りながらとろけていた事後の自分を殴ってやりたい。
そんな状況だったからまともな判断もできなかったのかもしれないけれど、今となってはそんなことは言い訳に過ぎない。
名無しは自らを恨めしく思いながら、羞恥と、シルバーからの強かな視線に耐えていた。
ベッドの上で、彼の携帯で……。
ポルノを見させられた時、なぜシルバーがそれを求めてきたのか。
あんな訊き方をしてくるということは、自分とはかけ離れていたということだろうし、そうあの場で解釈できなかったことが悔しくてならなかった。
求められたから真に受けて、悦んでくれるならと浮いた気持ちに流されるがまま、よく行くショップで手に入れたそれ。
名無しが身に着けていたのは、生地の面積の著しく狭い、中心面の割れたいやらしい下着だった。