rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第30章 wrong step on the stairs4
「ッ…ん、……んぐ…っは……」
「……バレてねえだろう?……キレイにしてやったんだからな、あの日」
「!……そんなの…」
「混乱したろ?!ハハッ…。けど結局、おまえも何もなかったみてえに演じてんじゃねえか。またシルバーとヤって……だよな?とんだ女だぜまったく」
「っ……!ひ、ぁ…」
頭がまだ、ナッシュとのキスを覚えている……。
忘れたつもりでいても、忘れたと言い聞かせていても、現実に味わわされることで沸々と思い出してしまう。
絡む舌がねっとりとしつこく、狭い箱の中で響く水音は、あの日浴室で耳にしたそれとはまた少し違っていた。
背中を壁際にぶつける度にエレベーターは軽く揺れたけれど、構うことなくナッシュは名無しの唇を貪った。
「おまえがテイの良いオモチャになってくれてるおかげで、シルバーも随分ご機嫌なんだぜ…オレも嬉しくなっちまうよ……ハッ」
「や……んぁ…やめ……ひとが乗って…来…」
「なあ……どうせすぐヤルんだろう?部屋に着いたら……。あんまデケぇ声出すなよ?名無し」
「ッ……」
「フッ……ただの忠告だ。隣に聞き耳立てられちまうぜ?」