rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第29章 wrong step on the stairs3
『アー……次は来週だな…』
『……』
『~……まーたそのカオかよ…。あのなー、オレだってそこまでケダモノってわけじゃねえんだよ。バスケしかしねえときもちゃーんとあるんだぜ?』
『……じゃあ…来週。――連絡……して?……来るから』
『!……おぅ…』
箱の中身は、昨日早朝の移動中と、ゲームの合間で完食しきったとシルバーは言う。
残りの数はそこまでなかったものの、味わって食べた意思がなんとなく伝わって、名無しはそれが嬉しかった。
思えば呼び戻され、キッチンで一粒を手に取り、それを唇で食み合った。
そのまま行為に耽った出来事さえ懐かしく感じる。
甘酸っぱいキスにやみつきになり、深く深く溺れて、ベッドまで自分を運ぶ巨体にぎゅっとしがみついた。
シルバーからあまり卑劣さが漂わなくなったのはもう少し前のことだったかもしれないけれど、このときももう既に、彼とのセックスには淡い恋慕が入り混じっていた。
情が移ったからとか、そういう問題の話じゃない。
なぜなら情なんて、もうとっくに―――。