rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第28章 wrong step on the stairs2
―――。
――。
『いや……もう…離…、お願……』
『そんな口答えが出来るあいだは、まだやめてやれねえな……”もっと抱いてください”くらい言えたら考えてやるよ』
『な…っ!!ひ、ぃあ……あん…ッ――』
「……」
ベッドに移ってから背後をとられ、後ろから何度も激しく膣奥を攻め立てられた。
浴室では絶頂を数回味わわされたのち、シャワーの湯に打たれ、虚ろな表情を零しているときに抱き上げられたのも少し覚えている。
ナッシュは帰る気はないのだろう……自分の女の部屋にわざわざシルバーを置いてきていたのだから、ここでこの場を去る理由もきっとなかった。
名無しは頭の片隅でそう感じながらベッドに寝かされて、再び幾度となく身体を嬲られていた。
眠ってばかりでろくに何かを口にすることもなかったその日、彼女に限界が来るのもまあ当然ではあった。
ナッシュによって本当に狂わされ、意識が遠退いて、いよいよその色めき立った彫りの印象的な腕を枕に、朝を迎えることになるのだなと思って目を閉じた。
が、いま名無しの隣にナッシュはいなかった。
散々汚された身体も、どことなくただの湯上がりの状態にさせられている。
疼きはするものの、性的な雰囲気を感じさせない程、まともな状況で名無しは少しのあいだ寝落ちていた。
そして腕枕を拵えてくれていたシルバーの帰宅をこの目で確かに見つめ、抑えられなかった嬉しさに、思わず彼にすり寄る――。
逞しい胸板のそば、名無しの髪が触れたゆえのくすぐったさを感じると、シルバーもまた目を覚ましていた。
部屋の時計が差していたのは、まだ日付の変わっていない平凡な時刻だった。